すわほうじん148号
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〈菓子歳時記〉その13ご当地色法人会会員「岡谷 精良軒」 原 昭徳 数年前の法人会本会の集まりで、たまたま隣の席になったWさんと赤飯の話になった。会議終了後の雑談で故郷の赤飯は、甘くなく豆も小豆だったと教えて下さった。北関東出身とのこと。詳しくきけば上に掛けるゴマは白ゴマで、赤飯の色は小豆色だったという。 最近はコンビニやスーパーなど(菓子店含む)で日常的に、甘くない赤飯を見かけるが、惣菜店菓子店などでは、甘いピンク色の赤飯も目にする。個人的には、あじさいの上生菓子。もう少しするとシーズン。そういえば岡谷にはあじさい寺もスィーツオアシスにようこそどちらもそれぞれの美味しさ良さがあるかなと思ったりする。 その会議の帰り道、思い出したのが、餅だった。十年以上前の師走、埼玉が実家で京都にて菓子店を創業した仲間に、仕事の塩梅をきくために電話したときのことだった。すると開口一番、「全然ちがうんだよ、丸餅なんだ」という。修行先も関東で、奥様の実家近くでという縁で、関西に赴いた友だった。諏訪地方も含め東日本は、餅といえば角餅。かくもち、といういい方すら一般的ではないと思う。餅自体の味は同じだが、加工工程は、随分と異なるといえる。 角餅の場合、のした餅の大きさを揃えるために入れる木型がある。ある程度時間が経ち硬さが出てきたところで、専用の包丁で裁断する。そこが丸々違ってくるから、最初は戸惑ったと思う。丸餅を、きれいに分割するには、また別の技術が必要なわけでもある。 友人とは最近は年賀状だけの付き合いになってしまった。コロナ禍の今、どうしているだろう。関東風の味、技術は、京都では馴染まないという面はあると思われるが、逆の見方をすれば、差別化にもつながるといえるかと。色々がコロナ前と変わってしまった。ご当地色を上手に使って、お互いよい仕事をと連絡を取ろうと思っている。

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